
レーザ走査イメージャのユーザメリット
- 高解像度で広域の検査が可能
- 高倍率の顕微鏡でもチェックできない欠陥を発見可能
- 検査時間の短縮が可能
- ユーザーの要望に応じたさまざまなカスタマイズが可能
今後の可能性
微細加工分野での超高速加工の可能性、水質検査の可能性、土木や空間認識のための距離計測など、弊社のレーザ走査イメージャは、今後様々な分野での応用が期待できる“温故知新”の技術である。

シュリンクフィッタを用いた超精密レンズ締結方法(シュリンクフィッタ法)
従来のレンズの締結方法は、スペーサーによってレンズを光軸方向に押さえる方法が一般的です。しかし、この方法ではレンズと鏡筒に隙間ができてしまうため、各々のレンズの位置ずれが生じ、その結果偏心量が増大してしまいます。
偏心は、光学機器の性能劣化の原因で極めて大きな割合を占めており、走査光学系においてはレーザーの結像精度(視野や解像度)に多大な影響を及ぼし、走査幅両端付近ではスポット径が大きくなってしまいます。
これらの問題を解決する新たなレンズ組込み法として、 「 シュリンクフィッタ = shrinkfitter(特許出願中)」
という機械要素を用いた「超精密レンズ締結方法(シュリンクフィッタ法)」を当社では開発しました。
シュリンクフィッタとは、新潟大学工学部の新田勇教授(当社取締役)が発明した、光学レンズと鏡筒の間に挿入するプラスチック製のリングであり、本来、光学レンズを鏡筒に組付ける場合にタブーとされてきた 「締りばめ」 が可能となっていることが大きな特徴です。
また、温度変動が生じた場合でも、シュリンクフィッタの熱膨張によりレンズを常に一定の力で締結するため、スポット径などの光学性能が変化しません。


● シュリンクフィッタ法の特徴
・ 各レンズの光軸が一致するので、全走査領域にわたって微細なスポット径が得られます。
・ レンズを締りばめにより、温度変化や経時変化に対して精度の安定性が優れています。
高速、高精度、広範囲な光走査を可能とし、品質の安定性の優れるレンズができる。
●レンズ系の光学性能評価
シュリンクフィッタ法を用いることによるレンズ系の性能変化を具体的に示す実験結果を一つご紹介します。
下のグラフは、レーザーを45°ミラーで走査させて結像面上のビームスポット径をビームプロファイラーで測定したものです。また、温度補償性能を確認する目的で、レンズ系をカバーで覆い、温度を5~75℃に変化させてあります。本実験で用いているレンズ系の諸元値は走査幅30mm、スポット径6μmです。
従来法で締結したレンズ系では走査幅両端付近でスポット径が大きく悪化していることが確認できますが、シュリンクフィッタ法では全走査領域でほぼ理論値通りのスポット径になっています。
シュリンクフィッタ法では、全ての走査領域でスポット径が微細であり、非常に優れたレンズの芯出し性能と温度補償性能を有しています。